どうも、ミムラです。
先日、CNNからこういったニュースが出ました。
フィリピンの電力網、中国が「いつでも遮断可能」 内部報告書が警告 https://t.co/rY7lKFzzPl
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) November 26, 2019
詳しくはCNNサイト記事でどうぞ。短いのでサッと読めると思います。
で、Twitterでこのニュースに対するみんなの声を見ていると、こんな感じ。
- インフラを他国に握られたら大変
- だから言わんこっちゃない
納得する部分もあるのですが、ただ僕は正直、今のフィリピンにとっては大したリスクはないんじゃないかなーと思ってます。
今回はその理由についてお話しします。
中国がフィリピンの電力を遮断できない2つの理由
出典:https://www.cnn.co.jp/world/35145970.html
理由1. フィリピンは華僑財閥の国
フィリピンには財閥が多数存在します。
財閥っていうと、昔の日本で言うところの「三井」とか「三菱」とかですね。日本ではだいぶ昔に財閥解体しましたが、フィリピンではまだあります。
そしてそれらの財閥の大半は華僑(残りはスペイン)であり、フィリピン政府の要人とも綿密な関係にあると言われています。
例えば、フィリピン政府としては、金持ち(財閥)が不利益を被ったり、不利になるような法律は作らない(作れないし作るメリットもない)わけです。
この華僑財閥たちは、もちろん中国も無視できるレベルではないと思います。今のところはの話ですが。
ただ数年後数十年後、この態勢に何かしらの変化があって、フィリピン政府として、財閥と中国政府との板挟みに合う可能性は無きにしも非ずかなと思います。
理由2. 外資の流入を認める方針
フィリピンではこれまで外資に非常に厳しい態勢を取ってきました。
財閥たちが独占的に統治しているようなものなので、そこに力のある外資がどんどん入ってきたら、自分たちがやりにくくなってしまうからだと思います。
にもかかわらずGDPは上昇し安定して伸びているわけですから、ある意味すごい国です。国内消費だけでここまで成長しているわけですから。
ところが最近になって、外資の規制を緩める方針を発表しました。
ここから世界中の外資がフィリピンに流れ込むことによって、国の経済規模が急成長していきます。
もちろんその外資の中で、一番大きな割合を占めるのが、中国企業だと思われます。
中国政府としては、そんな自国企業が進出する中で、電力を握っていたとしても遮断するような不利益になるようなことは、まずしないと思います。
ただ、現実的に電力遮断はできないにしろ、一つそういった命綱を握られているという圧力は、少なからず政治や経済に影響してくることは間違いないと思います。
多少、中国に無理を言われても「言うこと聞かないとヤバイかも」となって、結局は中国の意見を通しがちにはなると思います。
インフラ整備も日本企業→中国企業へ
ドゥテルテ大統領になってから、フィリピンはアメリカの言うことは聞かず中国と仲良くする方針にあります。
その理由はここでは割愛しますが、このことが日本にも少なからず影響をもたらしています。
例えば、最近はフィリピンのインフラ整備も、日本企業から中国企業にシェアが移っている部分があります。地下鉄とかダムとかですね。
理由は単純に、中国企業に頼んだほうが格安だから。
品質を問題視する一般市民からは、「日本企業と提携すべき」「安かろう悪かろうでは意味がない」「後々必ず困ることになる」などの避難もありますが、政府としてはそういう方針みたいです。
もちろん、中国の商品やサービスがすべて低品質というわけではないです。
ファーウェイやシャオミのなんて、今や世界が認める大企業です。スマホ部品だって日本企業が提供しているわけですから、品質も日本のものと何ら変わりません。
国民性がものをいう
ただ、ことインフラ整備に関しては、品質どうこうという以前の問題で、国民性がハッキリ出るところと思います。
これは僕の個人的な感想というか考え方なので、正しい正しくないはどっちでもいいのですが、
日本はモノづくりに相手の将来を考えて誠心誠意尽くす姿勢があると思います。
これは日本人として、すごく誇らしく思うところです。
もちろん工事にお金はかかりますが、その分かかった費用以上の価値を提供しようと、ある意味採算度外視でもやる国民性というか文化があると思います。
一方で、中国はコスパ重視です。
安くていいものを作ればもちろんそれは立派な価値で、それを選ぶ側もいるわけなので、そこにあーだこーだ文句を横から言うつもりはないけれど、
何年後、何十年後とそれらを実際に使う国の人、その人たちの子どもや孫世代のことも考えているかというと、そうではないと思います。
実際、僕のフィリピン人の友人とも話したことがあるのですが、僕と同じように考えるフィリピン人は少なくないみたいです。
あなたはどう思いますか?
どっちが正義とか悪とかではないと思います。
ただ僕は、国同士でも結局は「人と人」だと思うし、損得勘定はあっても根っこではお互いを尊重し合い、誠意をもって付き合うのが好きだなーと思います。
ということで今回は以上!ほんじゃねー。