こんにちは、三村です。
以前、こんなツイートをしました。
家買う時にこんなリスクを本当に理解して許容してるんかな?
・資産価値まず下がる(負債)
・ローンとは別でかかる維持費
・金利変動リスク
・離婚して別居するリスク
・災害リスク
・引越しのハードルあがる
・近所に変人リスク
・今後近くに高層ビル建つリスク
・今後近くに嫌な施設出来るリスク— 三村🥦海外金融プレイヤー (@MimuraKeisuke) August 10, 2019
新婚さんには言いにくいけど、今回の後輩の場合も夫婦でお互いに一人暮らしの経験もないし他人との共同生活は初めてらしいから離婚するリスクもあると思う。
離婚したら、ローン返しつつ別で家借りることになるだろうから二重に払っていかなあかんという地獄待ち。怖すぎる。
— 三村🥦海外金融プレイヤー (@MimuraKeisuke) August 10, 2019
これについて少し深掘りしようと思います。
「夢のマイホーム」とかいう幻想に騙されないでほしいです。昔ならともかく、持ち家を所有するということはリスクだらけなので。
持ち家リスクはザックリ分けて5種類ある
金銭面のリスク
- 資産価値は下がり続ける
- 金利変動により支払いが苦しくなる
- ローン返済が終わっても維持費はかかる
- 会社からの住宅手当がでなくなる
まずは金銭的リスクとして、日本では持ち家は資産になりにくいというのがあります。
日本の99%住宅価格は購入した瞬間から、どんどん下がります。
新築では鍵をガチャッと開けた瞬間に2~3割の値段が下がると言われて、つまり買った瞬間に売ってもマイナスなのだから負債でしかありません。
さらに年月が経つにつれ、上物(建物)の価格はゼロに近づいていきます。例えば木造の耐用年数は22年だから、実際22年住むと価値はゼロになります。
これは日本の話で、アメリカなどでは不動産価格は上昇し続けているから、家は負債にはならず資産になります。だからアメリカでは早く買ったほうがいいけど、日本ではそうはいきません。
それに、
とくに勘違いが多いのが、ローン払い終われば自分のものになる=住居費がかからないと思っている人。
持ち家とて、維持費や修繕費はかかります。家だって老朽化するわけだから、長い間住もうと思ったらそれなりに修復は必要になってくるし、毎年の固定資産税だって払わなくちゃいけません。
持ち家の場合、生涯住もうと思うと維持費だけでも、その金額は約1,200万円かかるとも言われています。
返済できなくなるリスク
- 会社クビになる
- 病気やケガで長期的に働けなくなる
- 離婚して家を2つ借りないといけなくなる
多くの人が持ち家を買うとなると、頭金いくらか入れての35年ローンとかだと思います。
ただ冷静になって考えてみてほしいのですが、35年間も長期にわたって、順調に毎月ローン返済ができるという保証はどこにもありません。
今は会社で給料がもらえていて払えそうな気がしても、先のことなんて誰にもわかりません。会社が倒産するかもしれないし、リストラされることだって全然あるし。
「転職したらいいじゃん」って思うかもですが、健康ならまだしも急に病気やケガなどで働けなくなる可能性だってあります。
あと、
マイホームを購入するのは既婚者が多いと思いますが、忘れがちなのがいつまでも結婚が続くと思ってはいけないということ。
まさか自分がこうなるとは……なんてことは人生に往々にしてあるものです。どんなに夫婦円満な家庭でも、離婚するときは離婚します。子供がいようがいまいが関係ないです。
もしマイホームのローン返済中に離婚するとなると、ほとんどのケースでは母親とこどもに家を明け渡すと思います。
旦那さんだけ別で暮らすわけですが、その場合はローン返済+自分が住む家のコストも自分持ちになります。つまり二重に住居費を払い続けていかなくてはいけなくなります。
これは正直、かなりキツイ。
災害リスク
- 台風
- 地震
- 津波
- 浸水、などなど
日本はフィリピンに次いで世界で4番目に災害リスクの高い国です。
今年2019年の台風は、千葉や長野をはじめ東日本に大きな被害をもたらしました。たくさんの川の氾濫によって、床上浸水だけならまだしも家ごと流された家庭も多いです。
また、東日本大震災のような津波被害は稀かもしれないですが、毎年のようにどこかで大きな地震が起きて、家が崩れたり土砂崩れに飲み込まれたりしています
日本に住んでいる以上は、こういった自然災害リスクからは逃れられません。
賃貸ならば被害にあったところで命さえあれば引っ越しすればいいだけですが、持ち家となるとそうはいきません。
しかも、こういった災害リスクに備えるために、火災保険、地震保険、津波保険など色んな保険に入れば入るほどコストがかかるので、金銭的メリットはどんどん失われいきます。
運悪くババ引くリスク
- 手抜き工事
- 耐震偽装
- 欠陥マンション
- ソーラーパネルのトラブル
マンションや戸建てを購入すると、運悪くこういった欠陥住宅があたることがあります。
もちろん可能性の話ですが、意外とババを引くケースも多いらしく、僕自身もよく大家さん繋がりでそういう話を聞いたりします。
「いやいやそんなの滅多にないでしょ」と思うかもしれないが、手抜き工事なんて今知られているのなんて氷山の一角であって普通にあるあるです。
その認識をもっておいたほうがいいです。
移動しにくくなるリスク
- 子供がいじめにあった
- 近所に変な人が引っ越してきた
- 近所に嫌な施設(宗教関連など)ができた
- 周囲に高層ビルがたった
- 災害被害で生活が難しくなった
持ち家を持つと、ようはとにかくその土地に縛られて気軽に引っ越すことができなくなります。
もちろん買うときはみんなそこにずっと住むつもりで買うと思います。
でも、周りの環境の変化は自分ではどうしようもできないし、近隣との人間関係や子供の友達関係だってどうなるかわかりません。
どうしようもなくストレスのかかる環境に居続けないといけない、逃げられないというのは、とてつもなく大きなリスクと思います。
なぜマイホームを持ちたがる?理由が知りたい
こういった不確定要素が多すぎるのに、わざわざリスクテイクしてまで多くの人が巨額の借金を背負う理由とは何なのか、考えてみました。
個人的にはこの3つくらいしかないような気がしています。
- 見栄を張りたい、周りに認められたいなどの承認欲求
- 明確な理由はなく。漠然とマイホームを持つのが夢だった
- 不動業界の魔法の言葉にまんまと騙されている
「夢のマイホーム」という言葉自体、昔の不動産業界が考えたワードであり家を売るための戦略だということに、気づいていない人も多いです。
大きくなったら、将来は結婚して家庭を持って、保険に入って、家を買って、、、
こういうのは完全に洗脳です。
そもそも結婚だってしたくなかったらしなくていいし、保険だって入る必要ないし、ましてや家を買う必要なんてまったくありません。
そんなことしなくても幸せに豊かに生きていける人は生きていけます。
それに、
一番多いのは、早くマイホームを買わないと損だと思っている人じゃないかと思います。
不動産会社の、こんな魔法の言葉に騙されている人たちは多いのでは?
「賃貸なんて家賃払っても自分のものになりません。もったいないですよ。家を買って同じ金額だけローンを払えば、将来は自分のものになります。」
いかにもそれっぽく聞こえますよね。
たしかに自分のものにはなります。ただ、資産ではなく負債をいくら自分のものにしたところでデメリットしかありません。
また前述したように、ローン返済だけでなく持ち家では維持費や修繕費がかかるので、どちらにせよ居住費がゼロになることは一生ないです。
住居は賃貸、もしくは中古をリノベがおすすめ
やはり、日本という国に住むならば賃貸がおすすめ。いざという時の移動も簡単にできるし、住むコストも家賃、管理費、火災保険くらいのもので非常にシンプルです。
今回挙げたような持ち家リスクは、すべて回避できます。さらに資産にはならないけど負債にもなりません。
どうしても賃貸でなく持ち家が欲しいという人は、中古の家を買ってフルリノベーションしたらいいと思います。新築なみにキレイになるし、費用は新築買うよりかなり抑えることができます。
金銭的なリスクだけを考えるなら、間違っても地方の新築戸建てとかだけは手を出さないほうがいいですよ。
買いたい人は買ったらいい、でもその前に
今回言いたかったことは、持ち家を買うならリスクを許容したうえで買ったほうがいいということです。新築マイホームを買うなと言ってるわけじゃありません。
なぜなら、金銭的価値だけが人の幸せを決めるものじゃないからです。心理的な価値を優先したい人もいると思います。何をもって豊かな人生というかは人それぞれですから。
ようは、一生懸命働いてお金をかけてでも新築に住みたいとか、自分の理想の家に住みたいという人もいると思います。そういう人は、全然自分の価値観を優先したらいいです。
だってそれが幸せなんだから。
でも、一度買う前に自分の価値基準をハッキリさせることをおすすめします。
そしてそのうえで、その願望は果たして本当に新築持ち家でないと叶えられないのか?中古でも可能なのか?賃貸でも叶えられるか?
こういったことを立ち止まって考えてみてください。
すると、自分の価値基準を満たしながら、なおかつできるだけリスクを回避し、金銭的なメリットも享受することができます。